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2021年2月

体の表面のできもの

こんにちは。

獣医師の渡邊です。

少しずつ暖かくなってきて、過ごしやすくなりましたね。

今回は、体の表面のできものに関して少しお話しします。

体の表面、つまり皮膚にできるできものですが、たまに飼い主様から『小さいから大丈夫ですよね?』ということを聞かれます。

結論からお伝えすると、小さい=大丈夫ということはありません。

もちろん、年齢、犬種、できものの場所などを考慮して、ある程度の良性、悪性の可能性はお伝えできます。

しかし、最終的にはできものに針をさして細胞を採取しないと、様子を見ていいものか、さらに踏み込んで検査すべきものかはわかりません。

特に、皮膚にできる悪性腫瘍の1つ、肥満細胞種は『偉大なる詐欺師』という異名を持っています。

その名前の所以は、見た目や触感での特徴になります。日によって大きかったり小さかったり、柔らかかったり硬かったり、赤かったり白かったり、様々な特徴をもちます。

これには、肥満細胞がもつ顆粒から分泌される物質が関与しており、この反応によって起こる症状には『ダリエ徴候』という名前がついています。

体表の腫瘍は早期発見により完治できるものもあります。もし、体にできものを見つけた場合には、ご相談ください。

 

トリミングのバリカンについて

こんにちは。トリマーの有賀です。

今回はトリマーが使用するバリカンについてご紹介したいと思います。

ご自身のワンちゃんや猫ちゃんをトリミングに出すとき、バリカンを使用するカットをすすめられたことはございませんか?

「バリカンを使うとすごく短くなってしまうのでは?」と考える方も多くいらっしゃると思いますが、そんなことはありません。

下記の写真のように1mm~11mmまでの替え刃があり、被毛を長く残せるバリカンもご用意しております。

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左から1mm・2mm・3mm・5mm・6mm・8mm・9mm・11mmの替え刃を付け替えながら、オーナー様のご希望のカットに近づけていきます。バリカンの本体に関しては、刈り方や刈れる具合については関係ありませんが、重さや太さが変わってくるので、トリマーさんの好みで使い分けています。大事なのは替え刃のmm数でどれくらい短くなってどれくらい被毛が残るかというところです。

今回は私が飼っているトイプードルちゃんに協力してもらい、実際にどの程度被毛が残るのか見ていきたいと思います。

まずはシャンプー前の被毛

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ではシャンプーに入れます。

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シャンプーに入れてふわふわになりました‼

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下記の写真では被毛の長さを測っています。

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この櫛の長さが約4cmなので、現在の被毛の長さは半分ちょっとという感じなので、2.5cmくらいの長さかと思います。

では早速カットしていきたいと思います。

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今回はよく使用される、5mmと8mmの替え刃で違いを見ていこうと思います。

まずは8mmのバリカンを入れてみましょう。

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左半身は先ほどの2.5cmのままで、右半身を8mmのバリカンでカットしました。うっすらピンクの肌がみえますが、被毛はだいぶ残っていることがわかります。

続いて5mmのバリカンです。

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先ほどより肌の色がよくわかると思います。ただ、バリカンの入り具合はその子の毛質や毛の立ち具合によって大きく変わってきます。プードルちゃんの場合ですと、ふわふわな毛質で毛もよく立つのでバリカンのmm数に近いカットができますが、ダックスちゃんやチワワちゃんなど毛が寝ている犬種ですとこれより長く残る事が多いです。

犬種やその子の毛質によって残る長さは違いますので、カットをする際はトリマーさんとよく相談して、カットを決めていっていただきたいと思います。

バリカンを使用するメリットとして、

・カット時間の大幅な短縮

・左右で長さが均一になり左右対称を作りやすい

・ハサミよりケガのリスクが少ない

ということが挙げられます。病院のトリミングには高齢のわんちゃんや猫ちゃんが多くいらっしゃいます。

トリミングがなるべくストレスにならないよう、短時間で仕上げる際に、バリカンは必要不可欠になります。

最後に、協力してくれたトイプードルちゃんもきれいに仕上げました。

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是非、トリマーさんとご相談の上、バリカンを取り入れたカットをしてみてはいかがでしょうか。

 

遠慮なく話しかけてください

こんにちは、フロアマネージャーの田口です。
ステイホームの毎日ですが、皆さまの心は元気でしょうか?
ずっとお部屋の中に居ると、気が滅入ることもございますよね。
特に我が子が具合が悪い時は、何をしても明るい気分には、なかなかなれないものです。
私の家には、4年前まで14歳のコーギーがおりました。
いつも家族の中心で、みんなの笑顔の元でした。
そんな彼を失った時、私の心にぽっかりと穴が空きました。
これがペットロスと言うのもなのかなと、その時思いました。
心の風邪が、しばらく続きました。
でも、いつまでも泣いてはいられないと思い、その子の話を聞いてくれる犬仲間に思いを吐き出しているうちに、少しづつ元気を取り戻す事が出来ました。
今は新しい我が子が2匹になり、あの子もいたらどんな感じかしら…などと思うと、ふふふと笑いたくなったりしています。
誰かに話すと言う事は、とても大事な薬ですね。
ご通院中、私を見かけられたら遠慮なく話しかけてください。
お役に立てる事は少ないかもしれませんが、少しでも皆さまのお気持ちが軽くなる事を願っております。
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動物の身近な中毒

こんにちは、獣医師の中嶋です。

2月に入り、一段と寒さが増してきましたね。2月のイベントといえばバレンタインデー!

毎年この時期になるとチョコレートをもらえるかドキドキしてきます。

皆様もバレンタインデーに向けてお家でお菓子作りをする機会も増えるのではないでしょうか?

甘くておいしいチョコレートですが、ワンちゃんや猫ちゃんが食べてしまうと中毒症状が出てしまいます。

チョコレート中毒や玉ネギ中毒は有名ですね、ご家庭にあるような食べ物で中毒を起こしてしまう食材が他にもあるので症状と共に少しご紹介しようと思います。

 

【チョコレート中毒】

チョコレートの中に含まれるテオブロミンという物質が原因で引き起こされます。

接種量にもよりますが、不整脈や意識障害を引き起こし、最悪の場合死に至ります。誤ってチョコレートを摂取してしまった場合は早期に嘔吐させることが有効といわれています。

 

【玉ねぎ中毒】

玉ねぎに含まれる成分によって、赤血球が破壊され貧血を引き起こします。

症状は貧血による、口腔内粘膜の蒼白、頻脈、呼吸が早くなる、血尿などがあります。玉ねぎ中毒も早期に嘔吐させることが有効といわれています。

 

【ブドウ・レーズン中毒】

ブドウやレーズンによる中毒は2000年になってから指摘されるようになった比較的新しい中毒のため、知らなかった方も多いのではないでしょうか?

ブドウ中毒の原因物質はまだ判明していませんが、ブドウを摂取した犬で下痢や嘔吐などの消化器症状や腎不全を引き起こすことがわかっています。

 

【キシリトール中毒】

キシリトールは砂糖のかわりに使われる人工甘味料です。誤って犬がキシリトールを摂取した場合、インスリンという血糖値を下げるホルモンが過剰に分泌され低血糖を引き起こしたり、肝障害を起こす可能性があります。

 

今回紹介した食材は、中毒を引き起こす物質の一部に過ぎません、手作り食を作る場合は、ワンちゃんや猫ちゃんに与えてもよいものかしっかりと確認したうえで作ってあげるようにしましょう。