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画像診断科

先天性門脈体循環シャント

こんにちは、獣医師の杉野です。

今回は先天性門脈体循環シャントという病気について簡単にご説明したいと思います。

動物の体の中には栄養分や毒素を肝臓へと運ぶ門脈という血管があります。

動物たちの中には、この門脈が先天的に全身の静脈とバイパスされてしまっている子がいます。

この異常のことを門脈体循環シャントと言います。

シャントがあると、本来肝臓へ行って代謝・分解されるはずだった栄養分や毒素がそのまま全身に回ってしまうことが問題になります。

これにより、初期には嘔吐や下痢、食欲不振などの症状が出ることが多く、進行してくるとふらつきや発作などの神経症状がみられることもあります。

診断は、血液検査やレントゲン、超音波検査、CT検査などで行います。

は門脈体循環シャントの症例のCT画像から3D構築した画像です。

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門脈体循環シャントだと分かったら、手術を行い、その異常な血管を縛ることで治療することができます。

手術以外の治療法は点滴や低蛋白食などの対症療法に限定され、残念ながらそれらで完全に治ることはありません。

仔犬なのに食が細い、成長が遅い、食後にぐったりしてしまうなどといった症状があったら、門脈体循環シャントのサインかもしれません。

もしこういった症状がみられましたら、早めに病院で検査することをおすすめします。

 

胸水について

こんにちは、獣医師の勝山です。

新年になりましたが、未だ新型ウイルスの収束はみえず、落ち着かない生活を余儀なくされていることと思います。

しかし、こういったご時世にかかわらず、具合の悪い動物はかわらず病院に診察にきます。

今回は胸水について少しお話します。

胸水とは、胸の中に貯まる水のことをいいます。

胸の中には主に心臓、肺がありますが、肺はとても柔らかい臓器なので、胸に水が貯まると水のせいで肺が膨らめなくなってしまいます。このため呼吸が苦しくなってしまいます。

胸水の原因は、腫瘍や心臓病など、様々な病気があります。

診断にはまずレントゲン検査を行います。

レントゲン検査で、胸水やその他の病気(肺炎や肺水腫など)がないか調べます。

katu1

これは正常な胸のレントゲン画像です。

真ん中に心臓がみえて、その周りの黒いところが肺です。

katu2

これは胸水が溜まっている胸のレントゲン画像です。

胸の半分くらいが白くなってしまい、正常な肺は半分くらいしかみえません。

白くなっているところが胸水です。

胸水が溜まっていることがわかったら、原因を調べるために溜まった液体の検査や超音波検査などを行い、原因に合わせた治療を行っていきます。

呼吸が明らかに苦しくなった場合にはお家でも気付けると思いますが、初期には少し呼吸の回数が増えた程度の事が殆どで気付けないことが多いです。

そのため、普段どれくらいの速さで呼吸しているかをチェックしておくと、呼吸が速くなったときに気づきやすいと思います。

お家にいる時間が長くなっているときだと思いますので、ぜひチェックしてみてください。

チェックするときは、運動後や食後などは避けて、落ち着いているときにしてくださいね。

 

〜参考〜

犬の呼吸数の基準値

 小型犬:20〜30回/分

 大型犬:   15回/分

 

 

 


 

 

画像診断科のご紹介

こんにちは。獣医師の杉野です。

僕は現在、当院の画像診断科に所属しています。

画像診断科というと、直接診察にかかわることはなく、皆さんとお話することも少ないので、あまり馴染みがないかもしれません。

今回は、僕たちがどのように診療に携わっているのかを簡単にご紹介したいと思います。

まず、院内の各科の先生たちから画像検査の依頼を受けることから始まります。

その依頼に応じて、X線や超音波、CT、MRIといった検査の撮影や読影を行っていきます。

撮影された画像情報から、病変部の形や見え方などに注目しながら有用な情報を見つけ出し、考えられる病気を各科の先生たちに伝える役割を担っています。

病気によっては画像検査が診断の要となる場合も多く、その後の治療方針に大きく影響を与える可能性があるため、責任は重大です。

また、必要に応じて超音波装置やCTを用いて目的の病変に針を刺して細胞や組織をとる検査をしたり、CT検査で得られた画像を3D画像に再構成する処理を行っています。

このように僕たち画像診断医は基本的に裏方仕事を行うことが多く、表舞台に立つことは少ないですが、高度な医療を提供する上で必要不可欠な存在だと考えています。

当院には専門的な知識を有する画像診断医が多数在籍していますので、時には複数の診断医と意見交換を行いながら、適切な判断を下せるように努めています。

 

 

 

脾臓のできもの

こんにちは。獣医師の勝山です。

今回は脾臓のできものについて少しお話したいと思います。

犬の脾臓のできものには、大きく分けて良性と悪性があります。

一般的には悪性は手術や抗がん剤をしないと命にかかわり、良性であれば治療しなくても命にかかわることはないというイメージがあると思いますが、脾臓に関しては良性でも命にかかわることがあるので注意が必要です。

なぜかというと、良性でも大きくなって破裂してしまうことがあるからです。

脾臓は血液を多く含む臓器なので、脾臓のできものが破裂するとお腹の中で大量出血をすることがあります。

その場合、急速にショック症状を起こします。

症状としては、

  • 急に倒れてぐったりする
  • 貧血(口の中が白い)
  • 呼吸が速い
  • 頻脈

などです。このような状態になると、場合によってはそのまま命を落とすこともあります。

また、破裂がない場合でも、なんとなく元気がなくなったり食欲が落ちたり、などの症状がでることがありますが、気づくのが難しいことがしばしばあります。

脾臓の腫瘤は腹部の超音波検査などの画像診断によってみつけることができます。

良性であれば手術のみで治すことが可能ですし、悪性であっても早期に発見することで元気な時間を長く過ごせる可能性があります。

できれば深刻な状況になる前に治療してあげたいですね。

当院では超音波検査を含めた健康診断も行っていますので、気になる方はスタッフにご相談ください。