ホーム>スタッフブログ>腫瘍科>犬や猫のがんを早期発見するためには!
腫瘍科

犬や猫のがんを早期発見するためには!

こんにちは、腫瘍科を担当しています院長の林宝です。

今回は、ご自宅でできるがんの早期発見方法について書きたいと思います。

皆さんご存知のようにがんは命を奪う恐ろしい病気です。

しかし、動物のがんの治療は年々進歩しており、完治できるがんも増えてきているのも事実です。

がんを治すには、なんといっても大切なのが早期発見です。

同じがんでも発見時期によって完治率が大きく変わってくるのです。

 

1.とにかく良く体中を触ってあげる事

病院で身体検査を受け頂く事でがんを発見できる事もありますが、実は身体検査はご自宅の方が詳しくできます。

どうしても動物は診察台の上では緊張や興奮をしてしまう事が多いですが、ご自宅でリラックスしている時はゆっくり、じっくり触る事が可能です。

専門知識がなくても皮膚や体の表面にできたできものは毎日触っていれば小さな物でも気づける事が多いと思います。

林宝1

<背中に発生した皮膚肥満細胞腫>

 

2.発見しにくい場所

がんがよくできるのに発見しにくい場所があります。

ひとつが口の中にできる口腔内腫瘍です。特に殆どのワンちゃんは、病院では口の中をじっくりは見せてくれません。

ご自宅でリラックして口を開けている時に覗き込むようにして下さい。2つ目が肛門周囲の腫瘍です。肛門の周りにも腫瘍は頻繁にできますし、肛門嚢(におい袋)にもがんができる事は珍しくありません。

お尻の穴なんて普段見ないところですが、注意して見て、触ってあげて下さい。

3つ目が耳の内側です。ここにも腫瘍ができますのでよく見てあげて下さい。

それから雄犬の精巣も高齢でがんになる事があります。精巣も触ってあげて下さい。

林宝2

<身体検査で発見された口腔内腫瘍>

林宝3

<肛門嚢アポクリン腺癌>

林宝4

<耳の内側に発生した肥満細胞腫>

 

3.リンパ節を触ってみましょう

体の表面にあるリンパ節の位置を覚えて頂き、触ってみて下さい。

犬と猫で最も多いがんであるリンパ腫を早期に発見できるかもしれません。

<体表リンパ節(犬も猫も基本的に同じです)>

 

4.鼻血が出たら直ぐに病院へ

動物は人と違って滅多な事では鼻血が出ません。

くしゃみが続いたり、1回でも鼻血が出たら鼻腔内腫瘍の可能性がありますので直ぐにご相談ください。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.samec.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/50