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2021年7月

ストレスで膀胱炎!(猫の特発性膀胱炎について)

獣医師の福島です。

猫ちゃんを診察していて多い病気の一つに膀胱炎があります。

膀胱炎とは、膀胱が何らかの原因で炎症を起こして排尿の時に痛みがおこる病気です。

原因となるものはいろいろあります。

①結石

②細菌

③特発性

④その他(できものなど)

膀胱炎になると排尿の時に痛みを感じ、トイレで苦しそうにしている姿を目撃します。

 

【主な症状】

トイレに入ったり出たりを頻回に繰り返す

少量のオシッコを何度もする(頻尿)

血の混じったオシッコをする(血尿)

排尿時に痛みがあり鳴く

排尿姿勢はとっているが尿が出ていない

 

動物病院では尿検査や画像検査などを行って原因を特定し治療します。

結石やできものなどは検査をすれば原因がはっきりします。

しかし、炎症が起きているにもかかわらず具体的な原因がはっきりしないものについては特発性膀胱炎と呼ばれ、現在、猫の膀胱炎の半数以上が特発性と考えられています。

原因はまだわかっていませんがストレスが関連していると言われています。

 

【猫がストレスを感じる原因】

環境の変化(引越し、家族構成の変化など)

工事などの大きな音が聞こえる

同居猫との関係(新しい猫を飼い始めた、仲が悪いなど)

長時間の留守番

トイレの問題(トイレが気に入らない、汚れているなど)

そのほか猫ちゃんによってさまざまです。

また猫ちゃんの性格によっては、少しのことでもストレスに感じてしまうことがあるので注意が必要です。

治療は、症状に合わせてお薬を飲んだり、ストレスを軽減する成分が入った食事、サプリメントなどを併用していきます。

一番はストレスになっているものを取り除いてあげることですが取り除くのが難しかったり、何がストレスになっているのかわからなかったり、性格的にストレスを受けやすい場合は、症状が治っても繰り返す可能性があります。

食事療法を続けたりサプリメントを試したり、リラックスできる環境を整えて暮らしやすく工夫してあげましょう。

ストレスをとるというのはなかなか大変な作業です。

私たちも知らない間にストレスを受けています。私たちも猫ちゃんも一緒です。

ストレスを軽くして少しでも快適に楽しく暮らせるよう一緒に考えていきましょう。

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快適にゃ

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満足にゃ

 

夏本番!リハ室に運動しにいらっしゃいませんか?

こんにちは!

リハビリテーション科の藤澤です。

連日の猛暑で「お散歩もできない」とか「運動不足になりそう」というお悩み相談をお受けする事が増えてきました。

そんな時は・・・涼しいリハビリ室で運動しませんか!

リハビリテーション科は、病気や怪我の後の機能回復だけでなく、元気なわんちゃんの健康増進のお手伝いもしています。

ですので上記のようなお悩みのある方や、外は暑いから涼しい場所で運動させたいというご希望の方は、当院リハビリテーション科にいらっしゃって下さい。

マンツーマンで、陸上や水中の運動をしたり、マッサージやストレッチで身体のメンテナンスを行うことが出来ます。

ご興味がある方はお気軽にお声かけ下さい。

たんく1

お水の中を頑張って歩くタンクちゃん

ろつ

バランスボールで運動中のロッティちゃん

 

 

感染予防対策

こんにちは!受付の石原です。

受付に自動検温機が導入されました!

カメラに顔を向けると体温を測ります。

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受付でも検温しましたか?とお伺いしますのでご自身での検温にご協力お願いいたします。

また、自動検温器の下には自動で消毒液が出るようになっているので下に手をかざしてご利用ください。

引き続き当院の感染予防対策として、外やお車にてお待ちいただくことも可能ですので、その際は受付にお声かけお願いします。

まだまだ感染者は減らないですね。

一人一人がしっかりと対策をして感染予防にご協力お願いします。

フードの量について

こんにちは。看護師の田畑です。

今回は犬猫のフードの量についてお話ししたいと思います。

フードの袋に体重毎の1日の必要量が書いてあるのを目にしたことがある方も多いと思います。

袋の量はあくまで目安になりますので、年齢・体重・活動性・ダイエットをしたいなど、様々な要因でフード量は変化します。

例えば、同じ年齢でも元気に走り回っている子と、寝たきりの子では1日の消費カロリーが全く違うので必要なフード量も変わってきます。

また、仔犬仔猫は体重に対しての必要フード量は多くなります。

1日の必要量は年齢・目標体重・フードのカロリーがあれば計算することができます。

新しく仔犬仔猫を飼ったがどれぐらいフードをあげればいいかわからない。

最近太ってきた、痩せてきたからフードの量を変えたい等々…

フードのことでお困りのことがありましたら、病院で相談してみてはいかがでしょうか?

 

フィラリア(犬糸状虫)症の予防について

こんにちは、獣医師の高井です。

少しずつ気温も上がり、夏が始まろうとしています。

暑くなると蚊が多くなってきますよね。蚊と言えばやはりフィラリア症ですよね?

というわけで少し強引ですが、今日はフィラリア(犬糸状虫)症の予防についての話をしたいと思います。

 

多くの方がご存知かもしれませんが、フィラリア症は糸状の虫が心臓に寄生する病気で、蚊が媒介します。

蚊の体内に寄生しているフィラリア幼虫が吸血時にワンちゃん(ネコちゃんもなりますが、まれ)に移行することで感染が成立します。

それを予防するためにフィラリア症予防薬を毎月飲んでいるのです。

なぜ毎月なのか疑問に思われたご家族の方も多いのではないでしょうか?

そのことについて少し解説したいと思います。

実は予防薬を飲んでいても、フィラリア幼虫が寄生している蚊に刺されたワンちゃんはフィラリア幼虫に感染してしまうのです。

幼虫の段階では、皮下に感染しているため、特に症状は出ません。

その幼虫を、フィラリア症予防薬を飲むことで毎月駆虫しているのです。

しかし、予防薬は幼虫の限られた発育段階でしか完全な効果を発揮できません。

その限られた発育段階を過ぎてしまった場合、幼虫は成虫になり、血管内へ移動、最終的に心臓へ移動し、フィラリア症が発症してしまいます。

そのため、一回でも予防薬を飲み忘れてしまうと幼虫が成長してしまい、予防薬が効かずにフィラリア症になってしまう可能性があるのです。

フィライリア症は治療が難しいこともありますが、発症していることに気づかずに予防薬を飲んでしまうとショック状態になり、命に関わることもある怖い病気です。

長くなってしまいましたが、大切なことは

①毎月きちんと予防薬を飲む(当院では、最低でも4月末から11月末までの投薬をお勧めしています。)

②もし忘れてしまった場合はきちんと獣医師に報告をする

です。

余談ではありますが、フィラリアは世界中で500種類以上存在しており、今回お話した犬糸状虫はその1種類です。

ごくまれではありますが、犬糸状虫が人に感染した例も報告されています。

ワンちゃんとご自身を守るためにもしっかり毎月必ず予防薬を飲みましょう!

 

犬の熱中症について

こんにちは、獣医師の杉村です。

最近、気温がぐんぐん上昇してきて、夏が近づいてきた感じがします。

都内では熱中症患者が増え始め、新型コロナウイルスのワクチン接種会場では予防対策が進んでいるようです。

今回は犬の熱中症についてお話ししたいと思います。

 

熱中症とは高温環境が原因で意識障害や多臓器不全など様々な症状を起こします。

極度に気温や湿度が高いと、自力でできる体温調節が間に合わず高体温となります。

 

暑さや湿度以外にも水分不足や過剰な運動や興奮、年齢や犬種なども大きく関わってきます。

重症化すると命の危険があるため、予防が大切です。

 

<熱中症になりやすい犬の特徴>

・短頭腫(パグやフレンチブルドッグなど鼻の短い子たち)

・肥満気味の子

・毛の量が多い子

・仔犬や老犬

・呼吸器疾患や心臓病など持病がある子

 

<熱中症になりやすい状況>

・暑い時間の散歩やドッグラン

 運動すると体温がどうしても上がってしまいます。また、人間よりも地面(アスファルトなど)から近いので地面からの熱を受けやすいです。運動は涼しい時間帯にしましょう。

・家の中や車の中

 閉めきった家の中や車の中は高温多湿になりやすく危険です。

 必要に応じでエアコンをつけてあげて下さい。

 また、車中に残して買い物に行くなどはやめましょう。

・水分不足

 普通のお水で構いませんが、好きな時に飲めるようにしてあげて下さい。

 

ぜひご家族の皆様には熱中症のリスクを知っていただき、予防に努めて頂きたいと思います!

熱中症になってしまったら早期治療が大事です。

体温が高くぐったりしている、高温環境にいた後に嘔吐など消化器症状が出てきたなど、熱中症を疑う症状があれば、お早めにご連絡ください。