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2022年9月

お家のわんちゃんねこちゃんの変化にいち早く気付けるのはご家族です

みなさんこんにちは。

動物看護師の佐藤さつきです。

9月になり夜は冷えるようになりましたね。

さて、わたしのブログで何度か紹介したボクサーのジェイクですが今月で10歳になります。

大型犬の10歳なのでだいぶ高齢ですがまだまだ元気です。

しかし、ジェイクも歳を重ねて腫瘍が見つかったりホルモンの病気が見つかったり頸部のヘルニアが見つかったりといろいろなものと闘っています。

一時期、あまり散歩に行きたがらなかったりご飯を食べたがらない、多飲多尿という時期がありました。

なんかいつもと違うな〜なんか変だな〜くらいでしたが検査をしてみると上記のような病気が隠れていました。

お家のわんちゃんねこちゃんの変化にいち早く気付けるのはご家族です。

些細なことでも病院で先生に相談するのが一番だなあと改めて実感したところです。

 

最近のジェイクで気をつけていることは、首輪からハーネスへ変えたこと、歩きたがらない時は無理に歩かせない、、、、とやっていましたが高齢な子は運動させないと寝たきりになってしまうリスクもあります。

ですので痛みや身体の怠さなど体調をしっかりみつつ歩かせる必要があります。

散歩に行ってもすぐ帰ってきてしまうことが多くなり、暑いからかな、体調悪いからかなと心配をしていましたが散歩の道を変えたら、不思議なことにぐんぐん自分から進んで歩けるようになりました。

おうちのわんちゃんで最近お散歩行きたがらないなーという時、体調の問題を考えた上で色々な工夫をしてみてあげてください。

顔が白くなって歳をとった子も可愛くて仕方ないですよね、一緒にいる間は元気に歩いてもらえるよう努力していこうと思っています。

体調面やおうちの子が高齢になってなにかお困りのことがあれば、お声掛けください。

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膀胱がん(尿路上皮癌)のHER2発現検査について

こんにちは、病理診断科 診断獣医師の平林です。

夏の暑さも和らぎ、秋の匂いや気持ち良い風が感じられるようになりました。

動物たちも過ごしやすく、わんちゃんたちにとってはお散歩が行きやすくなりましたね。

私は秋の果物が好きなので、わくわくしています。

今回は、病理診断科で行っているHER2発現検査という少し特別な検査について、ご紹介します。

 

HER2発現検査は、膀胱がん(尿路上皮癌)に対する“ラパチニブ”という抗がん剤の効果を予測するための検査で、カテーテルや手術で採取した組織で行います。

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膀胱がんは尿路に最も多く発生する悪性の腫瘍です。

治療法は、外科切除、放射線治療、内科治療などがありますが、治療を行っても残念ながら半年〜1年程で亡くなることが一般的です。そのため、有効な治療法の開発が望まれてきましたが、近年、ラパチニブが犬の膀胱がんに対して有効な治療法になることが明らかにされました。

ラパチニブは、細胞の増殖に関わるタンパク質であるHER2とEGFRを阻害する分子標的薬です。

犬の膀胱がんでは、HER2の発現が高いとラパチニブがよく効き、生存期間の延長が期待できることが示されています。

検査では、HER2発現の程度をスコア化し、陽性、陰性の判定をしています。

獣医療におけるHER2発現検査は、まだ一般的な検査ではなく、ラパチニブを用いた抗がん治療は新しい治療法ですが、当院では検査体制を整え、結果をもとにラパチニブを含めた治療法をご提案しています。

知識、検査、技術を充実させ、わんちゃん、ねこちゃんに、より多くの治療法をご提供できる病院でありたいと思っています。

HER2発現検査やラパチニブを用いた治療法にご関心のある方は、お気軽にお問い合わせください。

【参考文献】

  1. Maeda S, et al. Lapatinib as first-line treatment for muscle-invasive urothelial carcinoma in dogs. Sci Rep. 2022;12(1):4.
  2. Tsuboi M, et al. Assessment of HER2 Expression in Canine Urothelial Carcinoma of the Urinary Bladder. Vet Pathol. 2019;56(3):369-376.

 

皮下点滴について

こんにちは、看護師の柳瀬です。

今回は皮下点滴についてお話させて頂きます。

皮下点滴とは、わんちゃんねこちゃんの皮膚と筋肉の間の空間に一度にまとまった量の輸液剤を投与する点滴方法です。皮下点滴をした後は一時的にこのような感じで背中にラクダのコブのようなものができますが、数時間かけてゆっくり吸収されていきます。

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今月で16歳になった我が家の愛犬ホクは慢性腎臓病があり数ヶ月前から皮下点滴が必要になりました。始めは3日に1回でしたが血液検査の結果や体調に応じて先生とも相談し、今では毎日皮下点滴を行っています。

我が家の場合、通院時以外は自宅で皮下点滴を行っているのですが、実は一般の飼い主様でも練習をすればご自宅で皮下点滴を行うことができます。

今回はシリンジという注射ポンプで行う方法を簡単にご紹介します。

まず準備として、人肌程度に温めた輸液剤をシリンジに針を付けて吸います。指定された量を吸ったら先端を翼状針という動物に刺す針に付け替えます。

ホクの場合は1回量90mlです。

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準備が出来たら、動物の肩甲骨の間付近の毛をかき分けアルコール綿で消毒をし皮膚を掴んで翼状針を刺します。

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針を刺した部位から漏れがないか、きちんと皮下に刺さっているかを確認しながらシリンジを押して入れていきます。

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日課なので慣れたものです。

全て入れ終えたらティッシュなどでおさえて翼状針を抜きます。最後に出血や輸液剤の漏れがないかを確認して終了です。

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入れる輸液剤の量にもよりますが、慣れてしまえば準備を含めても10分程度で行うことができます。

通院の頻度が多いのは飼い主様にもわんちゃんねこちゃんにとっても大変だと思います。定期的な皮下点滴が必要な子でお家でやってみようかなという方は看護師がお教えしますのでお気軽にお声がけ下さい。

 

我が家の愛犬、パグのくー

こんにちは。動物看護師の森谷です。

我が家の愛犬、パグのくーは14歳になりました。

犬の14歳は人間だとだいたい80歳くらいになりますがここまで大きな病気もせずに頑張っています!!

ですが、最近は食欲にムラも出てきて、足腰も悪くおしっこもオムツなしだと漏らしてしまったり、寝ている事が多くなってきたりとだんだんと歳を取って来た事を感じる事が多くなってきた気がします。

食欲にムラは出できましたが、大好きなササミやリンゴは凄い勢いで食べます!!

どこかをじっと見ているクーです笑↓

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まだまだ頑張ってもらい、一緒に過ごしていきたいです!

 

血液検査の機械をご紹介します

こんにちは、看護師の斉藤です。

今日は血液検査の機械をご紹介します。

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スポットケムバイダスという機械で、T4・FT4・コルチゾールといった血液中のホルモンを測定できます。

年齢を重ねるとホルモンバランスが崩れたりするのでT4・FT4はペットドックの項目にもあります。

コルチゾールは副腎皮質ホルモンで、測定する事でクッシング症候群の診断に役立ちます。

少し時間がかかりますが、院内で測定できるのでその日のうちに患者さんに結果をお伝えでき、早く結果が分かれば、早く治療を開始することができます。

院内では古株の検査機器ですが、まだまだ頑張りますので、よろしくお願いします!

 

 

 

テディベアカット

こんにちは。トリマーの有賀です。

みなさんいかがお過ごしでしょうか。体調を崩さぬようご自愛下さいませ。

さて今回は、カット犬種ならよく耳にする『テディベアカット』について少しご説明できたらと思います。

特にトイプードルの子に多いこのカットは、なんとなくは分かるけど…

と曖昧なイメージを持つ方もいらっしゃると思いますので解説していければと思います。

まずは、どこかに白くて、顔がボサボサで切り甲斐があるトイプードルはいないかな?

 

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いましたね!!

もう目がどこにあるかもわからない切り甲斐がある子がきてくれました!!

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まずテディベアカットとはざっくり言いますと、輪郭(赤い丸)が丸くなっていて、口元にもう一つ丸(黄色い丸)があるカットになります。

基本的にはこのような形になりますが、輪郭を大きく見せてふわふわ感を出したり、ご飯を食べた後お手入れしやすい様、口元の丸を小さくしたりとこの形を基本にオーナー様の好みに合わせていく形になります。

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最初に目頭と目の上をカットしました。

これで目が見えますね。

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次にあご下の毛をバッサリカット。

顎の下の毛を短くカットすると、小顔に見えますし、お手入れもしやすくなるのでおすすめです。

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次は輪郭のカットですが、鼻の所から耳の穴までを丸く、緩やかなカーブを描くようにカット。耳の穴あたりから少し直線気味に頭につなげていきます。

ここのカーブも先程カットした顎下の毛に合わせるため、顎下の毛が短ければこの写真のように緩やかなカーブになりますが、ふわふわ感を出すのであれば顎下の毛をもうすこし残してもっと丸く仕上げる事もできます。(黄色い線みたいに)

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頭もカットしました。顎下が短い分、頭には少し余裕をもって長めに残してカット。先程切った輪郭にも繋げ丸く仕上げます。

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最後に口周りのカット。小さすぎると丸が強調されず、シャープな印象になり、丸が大きすぎても目が隠れてしまう為、バランスを意識しながらカット。丸くなーれとつぶやきながらカットすると結構丸くなります。

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左右対称になるように向かって左側も先程と同様の手順でカットすれば出来上がり。

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少しいびつな丸になってしまいましたが、イメージ的にはこのような形になります。

あんなにボサボサだった子もスッキリ可愛くなりましたね。

これを機にトリミングに少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。