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2022年12月

デグーです

こんにちは、動物ケアスタッフの黒澤です。

今回は昨年の秋頃に新しく家族として迎え入れた子をご紹介したいと思います。

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サンドという砂のような薄い茶色から明るい黄色みがかった色が特徴的なデグーです。

このような色合いから丸まった姿がきな粉餅のようで、きなこという名前をつけました。

デグーは約1年程で人間でいう成人と同じくらいになるのですが、この子はまだ生後半年くらいの子で体が小さく毎日ご飯を沢山食べて元気にすくすくと大きく育っています。

これからどこまで成長してくれるのか、日々楽しみにしながら、一緒に過ごす時間を大切にしていきたいです。

 

 

病理診断と免疫染色

こんにちは。病理診断科 技師の密本です。

今回は免疫組織化学染色(免疫染色)についてお話します。

以前、病理診断の基本染色であるヘマトキシリン・エオジン(HE)染色について紹介しましたが、免疫染色はその追加検査として行う染色です。

免疫染色では、抗原抗体反応を利用して細胞がもっている特定のタンパク質の存在を明らかにすることができます。

HE染色は組織全体を紅色あるいは青色に染めわけることで、組織の構造や細胞の形態を評価するのに対し、免疫染色は目的とするタンパク質の有無の評価をする、という点で異なります。当診断科では30種類近くの試薬(抗体)を備え、様々な蛋白を検出しています。

どのような目的で免疫染色が行われるのでしょうか。

大きく3つの目的に分けられます。

・腫瘍の特定:腫瘍細胞の形や増え方(HE標本)だけでは腫瘍の種類が分からない場合

・病原体の検出(パピローマウイルスなど)

・治療方針の決定:リンパ腫のタイプ(T細胞性/B細胞性)を特定したり、腫瘍細胞が治療薬の標的となるタンパク質を発現しているか(膀胱がんのHER2発現検査:これについては少し前のブログで病理診断医の平林先生が紹介しています)を調べたりすることで、治療に用いるお薬や治療方針の決定に活かされます。

・・・ちょっとピンと来ないかもしれません。

では、免疫染色ではどのように細胞が染色されるのか、実際に見てみましょう。

猫の大腸にできた腫瘍です。H E標本でリンパ腫と診断されました。

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この腫瘍の由来がT細胞なのかB細胞なのかを判断するため、T細胞がもつCD3という抗原と、B細胞がもつCD20という抗原に対する抗体を使用して、免疫染色を行いました。

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免疫染色では、陽性細胞を茶色に染めています。

この症例は、腫瘍細胞はCD3に陽性となっていることから、T細胞性リンパ腫と診断され、治療には、このタイプのリンパ腫に最も効果的なお薬が選択されます。

このように免疫染色は診断に利用され、治療方針の決定に活かされます。

免疫染色は学生の頃から何度も行っていますが、この結果次第で診断や治療方針が左右されると思うと、毎回緊張します。

今後も当院の獣医療を陰ながら支えられるように、がんばります!

ごあいさつ(飼い主様サポート 三井晴香)

皆様こんにちは。

12月から埼玉動物医療センターで働かせて頂くことになりました、三井と申します。

小学生の頃に犬を飼っていた事もあり、もともと動物が好きですが、最近はマイクロブタの写真を見て癒されております。

まだまだ至らない点ばかりですが、精一杯務めさせて頂きます。宜しくお願い致します。

これから寒い日が続きますが、皆様、ご自愛下さい。

 

受付はクリスマス仕様になりました

こんにちは。受付の松本です。

12月に入って一段と寒さが厳しくなってきましたね。

朝、布団から出たくないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

私もその1人です。笑

そんな朝起きるのが辛い12月といえばクリスマス!

毎年恒例、受付はクリスマス仕様になりました。

外にはイルミネーション、中には星型のライトやクリスマスツリー、小さい置物など色々装飾しています。

寒い中ご来院される皆様の心が少しでも温かくなればと思います♪

私のお気に入りは入り口に置いてあるクリスマスツリーです。

クリスマスツリーの横でワンちゃん、ネコちゃんと写真を撮って思い出を作ってみるのもいいかもしれませんね!

クリスマスが終わるといよいよ年末年始に差し掛かります。

年末年始は営業時間が異なりますので、ホームページをご確認の上、お気をつけてお越しください。

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ごあいさつ(飼い主様サポート 吉野)

はじめまして。

10月より飼い主様サポートとして勤務しております、吉野と申します。

来院される皆様に寄り添い、きめ細やかなお手伝いができるよう努力してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

私の実家は養鶏場を営んでおります。

にわとりだけでなく犬、猫がいて、私が子供の頃にはウサギとクジャクもいました。

両隣は牧場と養豚場(こちらは現在工場になってしまいましたが)で、「牛が逃げてる!!」ですとか「庭に子豚が…!!」ですとか、そんなふうに たくさんの動物に囲まれ育ちました。

動物と一緒に暮らすって大変な事もありますが、かけがえのない時間と思い出をたくさん重ねられますよね。

思えばずっと、身近に動物がいたなと、このブログを書きながら改めて振り返っています。

今は別の場所に住んでおりますが、実家の鶏舎でノラ猫ちゃんが産んだメスの仔猫を1匹保護し、一緒に暮らしています。

今年で6才になりました。

性格は、ちょっと気高いけれど甘えん坊。

そのツンデレぶりに翻弄されながらも、くにゃくにゃの身体と日向の様な毛のにおいに癒やされ、幸せをもらう毎日です。

最近の楽しみは、夜一緒に眠ること!

寒さも相まって、気持ち良すぎて寝坊注意です。

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年末の、少し無理をしやすい時期になりました。

皆様もどうか、風邪などひかれませんよう、よく食べてよく眠り、暖かくしてお過ごしください。

 

 

ワンちゃんの発達ステージを理解しましょう

こんにちは、獣医師の遠藤です。

最近子犬さんをよく見かけるので、今回はワンちゃんの発達ステージについてお話ししたいと思います。

ワンちゃんの発達ステージは大きく6つに分かれます。

それぞれ出生前期、新生子期、移行期、社会化期、若年期、成熟期〜高齢期と呼びます。

どの時期もワンちゃんにとって大事な時期であり、一番長く一緒に過ごすご家族の皆様に十分に理解していただくことで、双方にとって快適で豊かな生活が送れると思います。

・出生前期

文字通り誕生前の時期です。

・新生子期

生後2週間くらいまでの時期です。

体の機能が非常に未熟で、排泄も自分で行えません。

まだ視覚や聴覚は未発達ですが、触覚や体温感覚、味覚、嗅覚はわずかながら備わっており、ちょっとした刺激に反応できます。

こうした時期でも、適度なハンドリングによりその後のストレス抵抗性や情緒的安定性、学習能力などが改善されることが報告されています。

・移行期

生後2週間から3週間までの時期です。

視覚・聴覚が発達してきて、兄弟犬と戯れあったりうなったり尾を振ったりと、社会的行動シグナルも表現し始める時期です。また、排泄も自力で可能となります。

・社会化期

生後3週間から12週間くらいまでの時期を指しますが、犬種や個体差があります。

社会化とは、ワンちゃんが生活していく上で適切な社会性を身につけていくことであり、とても重要な時期です。またこの時期に完全に離乳します(7~10週齢)。

社会化期の初期は、まだ見知らぬ対象や新たな環境に接しても、警戒心より好奇心が上回ります。この時期に多くの動物や人や物、環境に触れ、恐くないことを教えてあげることで、成長してからの恐怖反応を予防することができます(恐怖期という一時的に外部刺激に怖がる時期がこの後2度ほど到来しますが、それはまたの機会に )...。

この期間に経験しなかった事象に今後初めて遭遇すると、子犬のレパートリーにない新奇なものとして警戒や恐怖の対象となります。また、社会化期から次の若年期にかけて、犬同士の遊びは正常な行動発達に重要な役割を持ち、遊びを通して身体能力を磨いたり、犬特有のボディーランゲージや社会的な相互関係のルールを学びます。この時期に他のワンちゃんと触れ合わないと、人とはうまく接することができるけど、変な話、犬とコミュニケーションが取れないワンちゃんになってしまいます。人に例えるならば、狼に育てられた狼少年/狼少女です。

それでは、この時期に多くの動物や人や物、環境に触れることの重要性は理解したが、まだ初年度のワクチンネーションプログラムがなされていないのに他のワンちゃんと触れ合ったり散歩に行っていいのかといった点が疑問としてあがるのではないかと思います。この問題を解決してくれるのが「パピークラス」です。パピークラスとは、子犬の幼稚園であり、同じ状況下の元気な子犬さんたちが集まるので感染症に罹患するリスクも低く、安心して通えます。パピークラスの良い点として、しつけを学べるだけでなく、他の子犬さんやその飼い主さんとも触れ合え、一石二鳥どころか一石何鳥にもなります。是非活用してみてください。

・若年期

離乳から性成熟に到るまでの時期です。

性成熟とは、動物の生殖機能が十分に備わった状態に達することを指し、ワンちゃんでは個体差はあるものの、大体の子が8~12ヶ月齢で性成熟に到ります。

若年期も社会化期同様に、多くの動物や人や物、環境に触れさせてあげることが重要です。この時期に外部刺激の適切な反復がないと、社会化期に社会化した対象に再び恐怖心を抱くようになってしまいます(後戻り現象)。

また、反抗期に突入する時期でもあり、残念な事にこの時期に保健所へ連れて行かれることが多いようです。ご家族の皆様は、犬にも人間同様に反抗期があり、一時的にトレーニングが難しくなる時期があることを理解してあげましょう。

・成熟期〜高齢期

犬が性成熟を迎えてから高齢期そして天国へ旅立つまでの期間です。

事実、歳を重ねれば重ねるほど病気にかかる可能性は人間同様に上昇します。症状が出てからでは手のつけようがなく残念ながら手遅れとなってしまう場合もあります。

早期発見・早期治療を目指し、少なくとも年に1回は健康診断をしましょう。