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分離不安ご存知ですか?

獣医師の福島です。

これからクリスマスやお正月といった楽しいイベントが目白押しの季節。

ワンちゃんやネコちゃんにとってはお留守番が多くなる季節かもしれません。

ペットホテルをご利用になる方もいらっしゃると思います。

そこで皆さま、分離不安という言葉、ご存知ですか?

文字通り、ご家族の方が不在時に限定して起こる不安行動や生理的症状を表す病気のことです。

病気と言われると少しショックかもしれませんが、近年多くなってきていると言われています。

私の愛ニャンコ:よく寝ています。寝てるところしかとれないのです。

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(ぽーちゃん)

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(かえでちゃん)

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(そらちゃんとお母さんのくるみちゃん)

具体的な症状としては、

 

不安徴候:

過剰に声をあげたり遠吠え

物を壊したりする破壊行動

トイレ以外での排泄

 

生理的症状:

嘔吐・下痢といった胃腸症状

食欲不振

震え

舐性皮膚炎(手や足の先を舐める)

 

が挙げられます。この症状は、ご家族の外出後30分以内に現れます。

原因として以下の事が挙げられます。

・お留守番の練習が出来ていない

・ご家族のライフスタイルの変化(例えばご家族が増えたり、お仕事を始めたりすること)

・外出時や帰宅時に過剰に愛情表現をする

(いってくるかるね、良い子にしててね、と声掛けしながらぎゅっと抱きしめるなど)

・早期分離

(母親や兄弟から早く離されて育った動物は不安定な性質になると言われています)

・ご家族との過度な愛着関係

(どこに行くにも一緒の場合、例えばトイレに行くときにもついてきたりする場合は要注意です。また、いつも家にいて外の刺激やご家族以外の人や動物と社会的関わりを持たないことも病因になります)

 

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(りゅう君は子猫が大好きでお世話をしていました。)

 

治療として、

行動学的治療:

・ご家族の動物に対する接し方を見直す

・お留守番に慣らせる

など行動修正をしていく

薬物療法:行動修正と同時に実施(お薬だけでは治りません)が挙げられます。

 

分離不安についてお話ししてきましたが思い当たることありませんか?

皆様の大切なワンちゃん、ネコちゃんはお留守番中どのような状態ですか?

ストレスなくゆっくりできてご家族の帰りを良い子で待っていてくれてますか?

かけがえのないご家族の一員のワンちゃん、ネコちゃんとお互いストレスなく楽しく幸せに暮らせるようアドバイス出来たらと思っています。

この病気はなかなか認知されずらいと思いますが気になることがあればご相談ください。

 

これからの季節を楽しみましょう。

ふく5

(やっぱり寝ています。ナイスショット!)

 

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