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2024年1月

おしっこの取り方について

こんにちは!動物看護師の小西です。

入間市もだいぶ冷え込みますね…。

私は富山県出身(一応雪国)で冬生まれなのに寒さが苦手でこの季節はとても憂鬱です。

うちにいる猫さんも日中でもこたつの中からあまり出てきません。

こたつの中で人間よりくつろいでいる姿を見られるのは唯一冬のいいところかもしれませんね。

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突然ですが、検査で使うから今度おしっこを持ってきてとこの容器を渡され、わかりましたといって受け取ったもののこれにどうやっておしっこを入れたらいいんだ?と思ったことはありませんか?

私がまだ小学生のころ飼っていた猫さんが腎臓病になってしまった時に同じようなことを言われ困ったことがあります。

そのため、今回はおしっこの取り方についてお話してみたいと思います。

 

まずはワンちゃんです。

ペットシーツでおしっこをしてくれる子はいつも使っているペットシーツの吸水してくれる面ではなく裏のツルツルした面を上にしてあげるとおしっこが吸水されず簡単にとることができます。

ただ、おしっこの後すぐにワンちゃんが動いてしまうと足が汚れてしまうのでそこだけ注意が必要です。

 

次はお外でおしっこをする子の場合や、ペットシーツを裏返すと警戒してしてくれなくなる子の場合です。

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この写真はぬいぐるみですが、しゃがんでおしっこをする子はおうちで使っていないタッパーなどを足の間に入れることで取る事ができます。

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足を上げておしっこをする子は写真のようにおしっこが当たるところにタッパーを置いてあげると取る事ができます。

ただこの二つの方法は、おしっこが跳ねて自分やワンちゃんについてしまう恐れがあるため、タッパーとワンちゃんの体との距離感が重要になってきます。当たり前かもしれませんが手袋をすると手は汚れません!

 

次は猫ちゃんです。

システムトイレを使っている猫ちゃんも割と簡単に尿を取る事ができます。

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これは院内猫のうづらさんとししゃもさんのトイレですが、システムトイレはこのように砂の層とシーツの層で別れていると思います。

そのため、ワンちゃんと同じようにペットシーツのツルツルの面を上にすることで簡単におしっこを取る事ができます。

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見にくいですが赤丸の方がシーツをひっくり返したものです。

ここに溜まったおしっこ集めるだけで簡単におしっこを取る事ができます。

最後に固まるトイレ砂でトイレをする子です。

猫ちゃんは特にトイレ中に警戒する子が多いため少し大変ですが、ワンちゃんの時のように足の間に容器を入れることで取る事ができます。

ただ、ワンちゃんのようにタッパーだと少し大きくて取りにくいため、足の間におたまを入れると丁度よく取る事ができます。

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うちの猫さんがトイレ中の写真を撮らせてくれなかったため私の残念なイラストになりますがこのようなイメージですね。

 

おうちの子によって色んなトイレの仕方やこだわりがあると思うので、その子に合わせたおしっこの取り方を探してみてください!

もしこういう時はどうやって取ろう?イメージ画像がいまいちピンと来ないということがありましたらお気軽にお声掛けくだされば一緒に練習させていただきます!

 

今の季節特に猫ちゃんのおしっこに関わる病気が多くなります。

おしっこの取り方もそうですが、普段の『おしっこの頻度』『量』『トイレに入っている時間』『飲む水の量』などを把握しておくことでより早くおうちの子の異常に気づいてあげられます。

おうちの方が一番の主治医とよくいいます。

私もそうですが、 うちの子専門ドクターを目指してより良く一緒にいられるようになりたいですね。

 

ノルウェージャン•フォレストキャットのめんまについて

獣医師の安藤です。

お正月を迎え、もうすぐ2月という時の流れの早さに驚いています。

 

今日は私の飼い猫、ノルウェージャンフォレストキャットのめんまについてお話しようと思います。

家に迎えてから早7年。初対面にも関わらず、私の膝の上で熟睡していた子猫時代。

成長した今でも相変わらずマイペースで、たまにかまってくれる家族の癒しの存在です。

 

現在は離れて暮らしているのですが、時々帰って全身を触るようにしています。

去年の11月、いつも通り撫でまわしていたところ、右側の第二乳腺付近に7mmほどの硬いしこりを発見しました。

猫の乳腺腫瘍は悪性腫瘍(乳腺癌)である確率が89割、発見した段階で転移していることも多い疾患です。

全身検査を行ったところ、幸いにも明らかな転移所見はなく、後日右側乳腺全摘出手術を実施しました。

 

猫の乳腺腫瘍の積極的な手術方法は、犬の場合と少し違います。

しこりだけをとるのではなく、腕の付け根のリンパ節から、後肢の方のリンパ節まで入るように乳腺を全て摘出する術式が基本となります。悪性度が高く、しこり自体が小さくてもリンパ節へ転移する可能性があるためです。

傷もその分広範囲になるため、飼い主としては抵抗感がありますが、今できる限りの治療をと、私はこの手術方法を選択しました。

抜糸まで無事に終了し、現在は以前と変わらない生活を送ってくれています。

 

 

性格にも依存しますが、猫さんはしっかり触られるのを嫌がったり、長毛種では特に被毛によってできものの発見が遅れてしまうことが多々あります。

乳腺腫瘍の場合は、発見したときの腫瘍の大きさや転移の有無が余命に深く関与しますので、日々のスキンシップを大切にしていただければと思います。

また、早期の避妊手術も予防には効果的です。

 

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(写真1:猫の乳腺腫瘍の大きさと生存中央値について)

 

ご家族のわんちゃん、ねこちゃんに病気の診断がなされた時、今後の治療方針などについて悩んでしまうことがあると思います。その際に前へ進めるようお手伝いできればと思いますので、ご相談ください。

 

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(写真2:術後、階段を登れるまで回復し嬉しそうなめんま)

 

クッシング症候群について

こんにちは、獣医師の盧です。

今回はクッシング症候群についてお話ししたいと思います。

クッシング症候群はまた副腎皮質機能亢進症ともいいます。

副腎は腎臓の上にある一対の臓器で、生命を維持するのに不可欠なホルモンを分泌しています。

ホルモンの分泌をうまく制御できなくなることによって、さまざまな症状が現れます。

主に見られる症状には、多飲多尿や多食、腹囲膨満(お腹が張ってきて太鼓腹のような外貌になること)、皮膚のトラブルが挙げられます。

診断に必要な検査は血液検査、超音波検査、尿検査などがありますが、これらは副腎皮質機能亢進症と類似の疾患とを鑑別するために必要です。

最終的に副腎の機能が亢進しているぞーということを証明するためにはACTH刺激試験や低濃度デキサメタゾン抑制試験といったホルモンの検査が必要です。

ホルモンの検査で明らかに値が高い場合は副腎皮質機能亢進症と診断できます。

もちろん、中にはホルモン検査の値が微妙に高いけど診断基準には至っていない子たちもいます。

その場合は症状、血液検査や超音波検査、尿検査などの検査結果を併せて副腎皮質機能亢進症と診断する場合もあります。

治療は副腎ホルモンの分泌を抑える薬の投与になりますが、冒頭でも言ったように副腎が出しているホルモンは生命維持に極めて大事なものです。したがって、分泌を抑えすぎるのも良くなく、適正な用量に調整することが重要です。

うまく治療していくためには、ご家族様にご協力していただくことが必要不可欠です。

愛犬や愛猫のことで少しでも気になるところがあれば、いつでもご相談ください。

 

犬の膿皮症について

こんにちは。獣医師の藤森です。

今回は犬の膿皮症についてお話しします。

「膿皮症」みなさんは聞いたことがあるでしょうか?

膿皮症は皮膚の感染症です。

症状として皮膚炎、痒みなどが見られます。

検査は症状のある部分にテープやスライドガラスを貼り付けて顕微鏡で見ます。

膿皮症になると、皮膚にこのような赤いブツブツができたり

毛がボソボソとカサブタと共に抜けることがあります。

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このように炎症細胞とその中に細かい粒々が見えます。

この粒々が膿皮症の原因となる細菌たちです。

膿皮症は痒みの原因となり放っておくと皮膚が真っ赤になったりゴワゴワになってしまいます

膿皮症の治療はシャンプーなどの外用剤や抗生剤で行われます。

しかし、アレルギー性皮膚炎やホルモン疾患などの基礎疾患がある子では再発を繰り返すことが多いです。

皮膚にブツブツができていたり痒そうにしている場合は相談してみましょう。