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2020年3月

グレインフリーの食事

こんにちは。獣医師の上嶋です。

最近注目されている、グレインフリーですが、ペットフードでも、グレインフリーと記載された食事をしばしば見かけるようになりました。

グレインフリー=穀物を使用していない食事であり、主に穀物にアレルギーを持つ動物や、穀物の消化が苦手な動物で有効とされています。

(ちなみに、似た言葉として、グルテンがありますが、グルテンは麦類に含まれるたんぱく質のことで、グレインフリーであれば、必然的にグルテンフリーということになります。)

しかし、2019年に、米食品医薬品局(FDA)から、グレインフリーのペットフードを食べている犬で、拡張型心筋症の発症が増えるという調査報告が発表されました。

拡張型心筋症とは、心臓の筋肉が薄くなり、動きが悪くなる病気で、本来はドーベルマンやボクサーなどの大型犬に多いとされていますが、近年、比較的小型の犬に拡張型心筋症が増えており、食事内容の調査を行ったところ、グレインフリーフードを食べている犬の割合が多いということが分かりました。

また、グレインフリーフードを食べていた拡張型心筋症の犬が、食事変更後に心筋症の改善が認められたとの報告もあります(Journal of Veterinary Cardiology 2019:21,1-9)。

ただし、グレインフリーと拡張型心筋症の因果関係は不明であり、グレインフリーが体質に合っている子もいるので、現在グレインフリーを食べている犬の食事変更が推奨されるわけではありません。

栄養は、心臓に限らず、動物の健康状態に密に関わっており、私たちも、ご家族からお話を伺う際、食事内容の確認はとても大切だと考えています。食事の内容を迷われている方は、お気軽に病院スタッフにご相談下さい。

 

犬の手足のはなし

こんにちは、看護師の後藤です。

今回は犬の手足のはなしです。

以前犬の立ち方の話をさせていただきました。

人とは当然のことながら違った立ち方でしたね。

ですが、共通点もあります。

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こちら犬の前足のレントゲン画像です。

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こちらは人の手のレントゲン画像です。

なんとなく似てませんか?

そうなんです。じつは犬の前足と人の手の骨の構成はほとんど同じなのです。

一番の違いはその使い方。

犬の場合、地面に着いているところは、人で言う手のひらから先の部分。つまり指先だけで立っています。

後ろ足も同様で、犬や猫は常に爪先立ちの状態です。

人間からするとしんどいですね。

ですが彼らはこれが正常なので、特になんとも思っていないと思います。

常に爪先立ちの状態なので、早く走ったり、急旋回を可能としています。

ちなみに犬、猫の前足は人で言う腕と、後ろ足は人の足と対応していて、大まかな骨の構成はほとんど同じです。

みなさんのワンちゃん、ネコちゃんとの意外な共通点でした。

動きは違えども、同じ手と足なんですね。

種族は違いますが、同じ手を取り合って、豊かで幸せな生活を一緒におくれることを願って

血液ガスについて

こんにちは、看護師の斉藤です。

今回は血液ガスについてお話しします。

わんちゃん、ねこちゃんから少し血液をもらって、機械に通します。

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この機械は自動で血液中の酸素・二酸化炭素の濃度やpH、イオンなどを測定してくれます。

結果は短時間で出るので、急患の状態を把握するのに役立ちます。

結果を記入した報告書をお渡ししているので、気にしてみて下さい。

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子犬の咳

こんにちは、獣医師の渡邊です。

もう少しで4月、新生活を迎える方も多いと思いますが、今回は子犬の新生活で起こりやすいケンネルコフについて取り上げてみたいと思います。

ケンネルコフ(kennel cough = 犬舎での咳)は犬のパラインフルエンザウイルス、アデノウイルス、Bordetella感染などにより発症する、呼吸器感染症です。

接触により感染は拡大するため、同居犬にも注意が必要となります。

主な症状は咳ですが、それ以外全く症状が認められないことも特徴です。

(ただし、重度の場合には肺炎を併発し、呼吸状態の悪化が認められることもあります)

治療は咳を抑えること、そして二次的な感染を防ぐための抗生剤治療になります。

適切な治療が行われれば、命に関わることはほとんどありません。

そんなケンネルコフですが、よくある発生状況として、ペットショップ→家庭などの環境変化によるストレスが挙げられます。

子犬を新しく迎える予定がある方は、是非とも頭の片隅に入れておいてください。

ただし、他の病気の可能性もあるため、自己判断はせず、動物病院を受診して頂ければと思います。

では、来年度もよろしくお願い致します!

 

我が家には13歳のミニチュアダックスフンドがいます

こんにちは、看護師の柳瀬です。

我が家には13歳のミニチュアダックスフンドがいます。

人間でいうと約70歳。

すっかりおじいちゃんです。茶色かった顔にも白髪が増え、眼も加齢性の白内障で少し白く濁ってきました。

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外見の変化以外にも最近になって以下のようなことが見られるようになってきました。

寝ていることが多くなった

    1日の大半を寝て過ごす

耳が遠くなった

    大きい声で呼びかけないと反応しない

疲れやすくなった

    散歩での歩くスピードが遅くなり長い距離を歩けなくなった

筋力の衰え

    滑ったり転ぶことが増えた

 

ヒトと同じような症状がわんちゃんでも見られますね。

我が家では次のことを心がけています。

・定期的に健康診断を受ける

・適度な運動

・フローリングなど滑りやすいところはあまり歩かせない

 

大事な家族ですから元気に長生きしてほしいですよね。

シニア期のわんちゃんとの暮らしでお困りのことがありましたらお気軽にお声がけ下さい。

 

発作のお話

最近は寒暖の差が激しいですね。みなさま体調を崩されていませんでしょうか?

寒暖の差と花粉症とも戦っている獣医師の皆川です。

立て続けに診察する機会がありましたので、発作のお話を、

1)発作ってどんな症状がでるの?

2)どんな病気で起きるの?

3)どんな検査するの?

4)もし起きたらどうしたらいいの?

の4つに分けてお話しします。

 

1)発作ってどんな症状がでるの?

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・泡を吹いて足をバタバタしてます!!おしっこもらしています!!

・バタバタは落ち着いたんですが、立ち上がれずにぐったりしています!!

・立てるようになりましたが、同じ方向にぐるぐる回っています!!目が見えてなさそうです!!

・ずっとバタバタが止まりません!!

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あくまで一例ですがこんなお電話をいただくことが多いです。

こんな内容を聞くと ”はやく発作を止めてあげないと…!”と気が引き締まります。

 

2)どんな病気で起きるの?

こんな状態になってしまう病気はたくさんあって

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①脳:てんかん、脳腫瘍、脳炎、脳出血、脳梗塞 …

②脳以外:低血糖、低カルシウム血症、門脈体循環シャント、腎不全、中毒 …

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などがあります。

 

3)どんな検査や治療するの?

身体検査、血液検査、MRI検査を行います。主に、

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・目の動きや体の向きなど見た目の異常がないか

 (病気の場所がわかることがあります)

・肝臓、腎臓の機能や血糖値、カルシウム値に異常がないか

 (②の病気は血液検査でわかることが多いです)

・脳自体に異常がないか

 (①の病気の診断に役立ちます)

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といったことをみています。

診断したら病気そのものに対する治療や発作止めのお薬を始めます。

 

4)もし起きたらどうしたらいいの??

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・かかりつけの先生に電話して、どうしたらいいか聞く

・可能であれば発作を動画をとる(携帯やスマートフォンでOKです)

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をしてみてください。

動画は

・失神

・行動異常

などの発作に似た症状になる病気を見分けるのに役立ちます。

苦しがっている姿を撮影するのは心苦しいですが診断にとても役立つので、人手があれば撮影をお願いします。

今の挙げた発作は代表的なもので、ほかにも

・足がつっぱるだけ

・よだれが出たり、明らかな異常がないのにお腹が痛そう

・謎の行動をとる

・急に脱力する

など、まだまだいろんな種類の発作があります。

もし、気になる点がございましたら、スタッフまで教えてください。

よろしくお願いします。

皆川

 

 

 

 

 

 

 

 

 

動物とヒトの感染症

こんにちは、獣医師の中嶋です。

コロナウイルスが世界的に感染拡大し、香港では、感染した女性が飼育していた犬からウイルスの陽性反応が出ました。

感染症の中には、ヒトから動物に感染したり、動物からヒトに感染する病気があります。

この感染症をzoonosis(人獣共通感染症)と呼びます。

今のところ新型コロナウイルスが犬や猫からヒトに感染した例はありませんが、もちろん犬からヒトへ感染したり、猫からヒトに感染する病気もあります。

そこで、ご家庭で実践できる感染予防法を紹介したいと思います。

・動物と触れ合ったらしっかり手を洗いましょう

手洗いは感染症予防の基本になります。手に病原体が付着したままご飯を食べたり、目をこすったりすることで感染が成立します。

・過度の接触を控えましょう。

感染症の多くが口から体内に入ります。愛犬・愛猫とキスをしたり、同じ食器でご飯をあげるのは控えましょう。

動物たちは良きパートナーであり、感染症について過剰に恐れる必要はありません。

適切な予防を実践しヒトと動物の健康を守りましょう!!

 

スタッフルームの裏話

こんにちは。

暖かい日が続きますね。リハ科の藤澤です。

例年、バレンタインデーに女性スタッフから男性スタッフへという事でチョコレートをお渡ししていますが、

昨年より副院長の石川先生からのホワイトデーのお返しが、すごいものになっています!

いし

なんと、生ハム!

この姿、レストラン以外で見たことなかったんですが、今年もスタッフルームに鎮座しています

いし2

まわりの脂肪をおとして

いし3

すごいです!

男女問わず、おいしくいただいています!

スタッフルームの裏話でした!