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総合診療科

肥満で情緒不安定?

こんにちは。獣医師の上嶋です。

朝晩はずいぶん涼しくなってきましたが、皆様体調などくずされていませんか?

今回は、肥満と診断された犬が減量することで、生活の質(QOL)が上がったという論文についてご紹介したいと思います。

この論文では、肥満と診断された犬のご家族に、減量前後でQOLに関するアンケートに答えてもらい、ご家族が感じる犬の活力、情緒不安定さ、不安、痛みの各カテゴリーにおいて改善が認められるかどうかを調査しました。

その結果、減量を成功させた犬で、情緒不安定さ、痛みのスコアが軽減したとの結果がでました。

また、減量に失敗した犬は、成功した犬に比べ、活力が低く、情緒不安定のスコアが高いとの結果がでました。

 体重が増えると、骨や関節にかかる負担が増し、関節炎などの病気が悪化します。

適度な減量は、関節への負担を減らし、痛みの軽減につながります。

そして、痛みが軽減するということは、活動性の上昇や、精神的な機敏さ、外向性の上昇につながると考えられます。

なぜ肥満だと情緒不安定のスコアが高くなるかについては、はっきりとは分かっていませんが、人では、糖質が過剰にあると精神的に不安定になるのではないかという説があるようです。

肥満の犬では、適正体重の犬よりも熱中症による死亡率が高いということも分かっています。

夏はダイエットの成果が出づらい時期ではありますが、心と体の健康のため、適正体重の維持を目指しましょう。

ダイエットの方法でお困りの方は、病院スタッフにお気軽にお問い合わせください。

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