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総合診療科

グレインフリーの食事

こんにちは。獣医師の上嶋です。

最近注目されている、グレインフリーですが、ペットフードでも、グレインフリーと記載された食事をしばしば見かけるようになりました。

グレインフリー=穀物を使用していない食事であり、主に穀物にアレルギーを持つ動物や、穀物の消化が苦手な動物で有効とされています。

(ちなみに、似た言葉として、グルテンがありますが、グルテンは麦類に含まれるたんぱく質のことで、グレインフリーであれば、必然的にグルテンフリーということになります。)

しかし、2019年に、米食品医薬品局(FDA)から、グレインフリーのペットフードを食べている犬で、拡張型心筋症の発症が増えるという調査報告が発表されました。

拡張型心筋症とは、心臓の筋肉が薄くなり、動きが悪くなる病気で、本来はドーベルマンやボクサーなどの大型犬に多いとされていますが、近年、比較的小型の犬に拡張型心筋症が増えており、食事内容の調査を行ったところ、グレインフリーフードを食べている犬の割合が多いということが分かりました。

また、グレインフリーフードを食べていた拡張型心筋症の犬が、食事変更後に心筋症の改善が認められたとの報告もあります(Journal of Veterinary Cardiology 2019:21,1-9)。

ただし、グレインフリーと拡張型心筋症の因果関係は不明であり、グレインフリーが体質に合っている子もいるので、現在グレインフリーを食べている犬の食事変更が推奨されるわけではありません。

栄養は、心臓に限らず、動物の健康状態に密に関わっており、私たちも、ご家族からお話を伺う際、食事内容の確認はとても大切だと考えています。食事の内容を迷われている方は、お気軽に病院スタッフにご相談下さい。

 

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