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画像診断科

『心タンポナーデ』について

こんにちは。

画像診断科を担当しております獣医師の勝山です。

今回は『心タンポナーデ』についてお話したいと思います。

『心タンポナーデ』という言葉は、あまり聞き慣れない言葉だと思います。

まずは心臓の機能や構造について簡単にお話したほうがわかりやすいと思います。

心臓は皆様ご存知の通り、血液のポンプの役割をしており、全身からかえってきた血液を肺に送り、肺できれいになった血液を全身に送っています。

そして、心臓は心膜という膜で覆われているのですが、心臓と心膜の間にたまる水のことを心嚢水(心膜水)といいます。

かつ1

【正常な心臓】

かつ2

【心タンポナーデ】

心嚢水は心臓を動きやすくしたり心臓を守ったりする役割があり、正常でも微量にありますが、なんらかの原因により増えてくることがあります。

『心タンポナーデ』は、この心嚢水がたくさんたまってしまうことによって心臓がつぶれてしまい、心臓のポンプの役割ができなくなった状態のことを言います。

心臓のポンプ機能がうまく働かないと、全身にうまく血液を送れないため低血圧になり、突然倒れる、動きが悪くなる、呼吸が苦しいなどの症状が出ます。

原因はいくつかありますが、心臓にできた腫瘍からの出血で起こることが多いです。

心タンポナーデになっている場合には速やかに心嚢水を抜いて心臓のポンプ機能を復活させないと命にかかわります。

このような症状が出た場合には緊急でご来院いただき、すぐに検査や処置をする必要があります。

ご来院後、すぐに身体検査や血圧測定などを行います。

また、同じ症状で他の病気(お腹のできものの破裂など)があることもあるので、画像検査を行って原因を特定します。

心タンポナーデになっている場合には超音波で確認しながら針を刺して心嚢水を抜きます。

 

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【正常な犬の胸部X線画像】

 

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【心タンポナーデの犬の胸部X線画像】

正常と比べると心臓がかなり大きくなっています

 

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【正常な犬の心臓超音波画像】

 

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【心タンポナーデの犬の心臓超音波画像】

心嚢水がたくさんたまっているため、心臓がつぶれて膨らむことができません

 

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【心嚢水抜去後の心臓超音波画像】

心嚢水を少し抜くと、心臓が少し膨らむ余裕ができました

『心タンポナーデ』は命にかかわる状態であるため、上記のような症状が見られた場合にはすぐにご連絡ください。

 

 

 

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