ホーム>スタッフブログ>総合診療科>クッシング症候群について
総合診療科

クッシング症候群について

こんにちは、獣医師の盧です。

今回はクッシング症候群についてお話ししたいと思います。

クッシング症候群はまた副腎皮質機能亢進症ともいいます。

副腎は腎臓の上にある一対の臓器で、生命を維持するのに不可欠なホルモンを分泌しています。

ホルモンの分泌をうまく制御できなくなることによって、さまざまな症状が現れます。

主に見られる症状には、多飲多尿や多食、腹囲膨満(お腹が張ってきて太鼓腹のような外貌になること)、皮膚のトラブルが挙げられます。

診断に必要な検査は血液検査、超音波検査、尿検査などがありますが、これらは副腎皮質機能亢進症と類似の疾患とを鑑別するために必要です。

最終的に副腎の機能が亢進しているぞーということを証明するためにはACTH刺激試験や低濃度デキサメタゾン抑制試験といったホルモンの検査が必要です。

ホルモンの検査で明らかに値が高い場合は副腎皮質機能亢進症と診断できます。

もちろん、中にはホルモン検査の値が微妙に高いけど診断基準には至っていない子たちもいます。

その場合は症状、血液検査や超音波検査、尿検査などの検査結果を併せて副腎皮質機能亢進症と診断する場合もあります。

治療は副腎ホルモンの分泌を抑える薬の投与になりますが、冒頭でも言ったように副腎が出しているホルモンは生命維持に極めて大事なものです。したがって、分泌を抑えすぎるのも良くなく、適正な用量に調整することが重要です。

うまく治療していくためには、ご家族様にご協力していただくことが必要不可欠です。

愛犬や愛猫のことで少しでも気になるところがあれば、いつでもご相談ください。

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.samec.jp/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/652