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腫瘍科

抗がん剤について

こんにちは。腫瘍科 獣医師の小林です。

今回は腫瘍の治療で使用する抗がん剤についてお話したいと思います。

抗がん剤というと、ドラマや映画などで見かけるようなとても過酷な治療というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

確かにほとんどの抗がん剤は副作用を伴うお薬なので、投与することで体調を崩してしまうリスクがあります。

しかし、動物での抗がん剤治療では人での抗がん剤治療ほど重篤な副作用が起こることは少ないです。

なぜなら、人の医療ほど副作用に対応できる設備が整っていないため、高用量での抗がん剤治療ができないからです。

例えば、人の抗がん剤治療で使用されている『無菌室』や『骨髄移植』などは獣医療においてはまだまだ整備されていません。

そのため、獣医療においては人医療よりもマイルドな抗がん剤治療しかできないのが現状であり限界でもあります。

 

ところで、なぜ抗がん剤治療を行うと副作用が起こるのかを考えていきたいと思います。

まず前提として、抗生物質や下痢止めなど、どんなお薬でも副作用が起こる可能性があります。

ただ、治療効果を期待できる薬用量(治療域)と、副作用が起こる薬用量(中毒域)の差幅が広いため副作用が問題になりにくいだけなのです。

一方で抗がん剤はその差幅が狭いため、副作用が起こりやすいということです。

イメージの参考にグラフにしてみました。左が一般的なお薬のグラフで、右が抗がん剤のグラフになります。

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オレンジ色の領域にあれば副作用もなく安全に使用できますが、緑の領域に入ってしまうと副作用が生じてしまうというグラフです。

抗がん剤はオレンジの幅が狭いのでそこを狙うのが大変になります。

しかし、我々獣医師は重度な副作用を起こさないために、個々の患者さんの体調や検査結果をもとに治療を行うタイミングや投与する薬剤の量を検討し決めています。

また、発生する可能性が高い副作用に対しては予防的にお薬をご準備させていただくこともあります。

 

ご家族の一員である動物達ががんを患ってしまい飼い主様は不安でいっぱいだと思います。

ましてや馴染みのない薬剤を使用する抗がん剤治療においてはその不安も一入だと思います。

そんな不安を少しでも解消して一緒に治療させていただきたいと思っています。なので、どんなに些細なことでも心配なことがあればご相談ください。

 

最後に我が家の新しい家族(湊くん)をご紹介して終わりたいと思います。

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元々は保護犬でしたが、だいぶ家にも慣れてくれてマイペースに元気に過ごしてくれています。

ちなみに、湊くんはチワワなのですが、携帯で写真検索するとポメラニアンと認識されてしまうのはここだけのお話です(笑)

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獣医師 小林

 

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